政談398

【荻生徂徠『政談』】398

(承前) 現在、罪の軽い者を流罪に処しているのは実情にそぐわないのではないか。町人・百姓でも、富裕な者に艱難辛苦を味わわせるのは刑罰に等しい意味がある。その日暮らしの行商人や水呑み百姓の類は、暮らしそのものが流人と変わらず、艱難は常のこと。大島や八丈島に行くと、むしろ江戸にいた時よりも良いことが多いと聞く。今はただ何事も何事も名目ばかりで、刑も実情とは合致していないようである。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。