政談384

【荻生徂徠『政談』】384

 ●大名の潰れ跡引払いの事

 大名の家が潰れた時、江戸の屋敷を引払うのがあまりにも火急なこととなっている。近頃、毛利主水に斬りつけて取り潰しとなった水野隼人正の屋敷引払いについて聞いたところでは、引払いの混乱に乗じて家中の下々の者らが財宝を盗んで売りさばき、町人まで押し入るといった有様で、警護を命じられた親類の家来らが鎗のさやを抜いて町人らを制するなど、御城下にあるまじき事態である。


[解説]水野と毛利の刃傷沙汰については既出。

過去の出来事

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