政談378
【荻生徂徠『政談』】378
(承前) 喧嘩両成敗と法を立てるからには、負傷した者は生かしておき、罪を詮議するには及ばない。罪を詮議するのは事の理非を明らかにすることであり、両成敗は理非を明らかにしないことである。この点が大きな違いである。武士たる者、喧嘩をして負傷し、そのままおめおめと生きていられるものではない。今、島津や鍋島などでは、すでに刀を抜いた以上は、手をささず仕合わすという。もっともなことである。
[語釈]●「手をささず仕合わす」 浅学にして意味を解せず。原文のままにしておきます。
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