政談372

【荻生徂徠『政談』】372

(承前) また、座頭の元祖は蝉丸(せみまる)と言われているのは、枇杷が上手だったことに由来する。蝉丸を延喜の帝(醍醐帝)の皇子とするのは誤りである。また絵に蝉丸を座頭の装束に描くのはでたらめである。座頭の装束は僧衣である。蝉丸とは仲丸や田村丸などと同じで俗人の名である。


[語釈]●蝉丸 平安時代前期の歌人。宇多天皇の皇子敦実親王の雑色 (ぞうしき) とも,醍醐天皇の第4皇子ともいい,逢坂の関あたりに住んだ。盲目で、和歌と琵琶をよくした。『後撰集』以下に4首入集。『今昔物語集』巻二十四,『平家物語』巻十一にみえ,能および近松門左衛門の浄瑠璃に『蝉丸』がある。逢坂関明神に祀られている。

余談。百人一首の遊び方の1つ「坊主めくり」には、一般的なルールの他に「蝉丸ルール」と呼ばれるローカルルールが存在する。

◯「蝉丸」が出たら、全員の札を真ん中に置く

◯「蝉丸」を引いた人は1回休み

◯「蝉丸」を引いた人は、その場でビリ決定

など。

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