政談361
【荻生徂徠『政談』】361
(承前) 御部屋と呼ばれる者は、多くは踊り子風情の者たちである。それを寵愛する男も不学で、しかも無知だから、今は定法のようになってしまっている。更に、大名が一年交替で在所に居るため、近年は公家の娘などを密かに呼び寄せて在所にまるで本妻のように置く類が多いという。これらも妾を重く養う風俗の影響である。されば制度を立て、長子を持つ妾を家老などと同格にして、召使いの中の貴人と定め、それに仕える女中より、衣服・器物・住居に至るまで細かく制度を立てないと、この悪風は止めることなどできない。
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