政談347

【荻生徂徠『政談』】347

(承前) 古の郡県制の時代であれば、大名というものはないのだから、その家来の一人ひとりも皆天子より勲田を賜り、永久に子孫に伝え、その大将の家とは別々になるのであろうが、今は封建の世なれば、主人一人に国郡を下されるだけで済み、その家来へは、主人へ下された中からその功に報いて割くようになった。されば、主人の家が潰れて家来たちも流浪することに対して、どの人も仕方ないことと思い、上を怨む人もいない。しかし、主人の家が潰れれば、流浪して後の難儀があることを思えば、この後またどのような事が起きるか、時代の動きは計り知れない。されば、この件は考えなければならないことである。

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