政談332
【荻生徂徠『政談』】332
(承前) 今は十四、五歳になる者が、まだ小普請入りして御奉公をする前に死んでしまうことを恐れて、歳を偽って十七にするのは、その人に伯父などがいてもそれを差し置いて、従弟で二、三歳違いの者を、他の苗字であるのも構わず、歳を五、六歳偽って養子として願い出れば、願いの通り認めらるからである。されば、その家の先祖の御奉公によって跡目を立てるのではなく、小普請でまだ御奉公もしていない十四、五歳の者を跡目として立てているのは、これは法の立て方が悪いために、跡目を立てる本意を忘却して、慣例に拘泥しているのである。
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