政談326

【荻生徂徠『政談』】326

(承前) 若い主人などが仮病を使っている疑いがある時、時の執政がその疑いをかわすために誓文を立てさせることが今は慣例のようになっている。しかし、これは当座の間に合わせの方法に過ぎず、誓文で虚実が明確になるわけではないのだから無意味である上に、神明など存在しないと思わせることになり、偽りを教えることになり、この方法ははなはだよくない。支配や頭(かしら)は従事する者たちを管理するのが職分の第一である以上、誓文を出さず、仮病を使わずともよい方法があるはずである。

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。