毛筆文化の価値観は消失


 政府が設置する「本部」に掲げる看板の書の酷さが続いているが、新たに立ち上げられた「東日本大震災復興加速化本部」に掲出された看板の書もまた悪筆に加えて奇怪な文字の羅列。

 早速、これについて知人で大学に勤めている専門家に感想を求めたところ、氏の発行する研究誌の最新号冒頭で取り上げて下さった。ちょっとぼやけてて恐縮だが、その部分を画像にして添付する。

 以下、転載。


 画像の投稿を得た。(中略)政治あるいは役所の場面ではこの書の看板で良いとしたいのだろうが、もはや毛筆文化の価値観は消失してしまったのだろう。これで看板とする感覚を恐れる。まあ、酷い看板は措くとして、近世の日本人はもう少しましな字を書く人物に看板を任せていたのは事実だろう。やはり毛筆時代の毛筆書と電子フォント時代の毛筆書では、文字の覚え方から違うのであるから、書かれる文字も大違い。この看板の酷さも納得だ。

(東隅書生著『東隅随筆』546号)


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