【諸乗法数】1-8
【諸乗法数】1-8
一偈 『華嚴經疏』に「一偈一光、能く地獄を破る」と。
註 偈は梵文「迦陀」の譯。教えを説く際に用いられた韻文体の文。漢譯では五言或いは七言。但し漢詩の如く韻を踏む事は少ない。此の句は『華嚴經』(晉譯)巻一十九の夜摩升官品中の覺林菩薩偈に付けられた注譯。覺林菩薩偈は「若人能了知 三世一切佛 應當如是觀 心造諸如來」。劉宋の時ある僧が死して閻魔王に見(まみ)え問われた「汝は如何なる功德を爲したるや」。僧對(こた)えて曰く「覺林菩薩の偈を常に唱えたる」。此れに據って僧は墮地獄を免れて蘇ったという。『地藏經』にも引用されている。
一位 『華嚴經』に「圓教一位、即一切位」と。
註 圓教とは華嚴や天臺で謂う所の一つの經典に固守せず廣く様々な經典を研究する事。此の句は『華嚴經』の解説書の一つである『華嚴五教章』(唐法藏の撰)に出ている。此處の一位は最も重要な教えの事。
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