佛像圖彙486
【486】増益善神(ぞうえきぜんしん)
[通釈] 増益善神
[解説]
『大般若経』を守護する「般若十六善神」の中の一尊。赤肉色。四臂の像もある、容貌は怒鬼。刀を持つ。増益は利益を増すの意。法力によって恩恵を与えること。自らを益するのを功徳(くどく)、他を益するのを利益(りやく)という。この意味からすれば一般の人が自分に良いことがある意味で「ご利益がありますように」と願掛けをするのは誤り。「お地蔵さま、どうかご利益を下さいますように」という用法なら正しい意味だが、どうもこれだと求める欲望ばかりが先に立つようでえげつない。「日々、精進をして真っ当に生きるので、どうかお導き、お守りくださいますように」と祈ることで、その生き方が自分にとっての功徳であるし、他者に対して益することにもなる。神も仏も実は自分の心の中にいるといわれるゆえんでもある。
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