佛像圖彙474

【474】増益善神(ぞうえきぜんしん)


[通釈] 

増益善神 


[解説] 

 増益善神も詳細は不詳。十六善神は性格が中々解らず十二神将と四天王を合わせた物ともいわれたりする。研究も少なく難解な神々である。

  釈尊は無神論者であったといわれるが、やがて広まった仏教界では修行者や経を守護する神を受け入れた。この神々はインド由来のもの、中国(特に道教)由来のもの、そして日本の神など種々あり、時代が下るにつれてその数を増す。だから「増益」善神というわけではないが、我が国では大般若経転読の際に、釈迦如来の尊像と共に十六善神の尊像を掲げるのが規範とされている。十六善神が大般若守護の神とされているためであるという。仏(如来)だけでも万能なのだから、これを守護する神は不要ではないかなどと凡夫たる私らはつい斜めに見てしまうが、尊い如来さまやお経をさまざまな危難から護る存在がほしいという人々の優しい気持ちや願いが、こういった守護する神々を考え出したと愚考する。  

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