政談74
【荻生徂徠『政談』】74
(承前) しかれば、譜代者が絶えて出替わり者ばかりとなったのは、武道が衰退したからで、武家のためにはとても悪いことである。この点をよく認識し、今後は武家に譜代者が勤めるようにすべきである。具体的には、前述のように戸籍を明確にし、田舎者は江戸に、江戸の者は他国へ移れないようにし、武家の家来も、妻帯者やその家で生まれ育った者は永くその主人の家から離れることがないように定め、その主人の戸籍に入れ、請人を立てさせず、譜代の者とする。あるいはその者に子が多く、主人が小身ゆえにすべてを養育することが困難な場合は出替わり奉公に出させるにしても、事ある時は譜代の者として主人が自由にできるようにするのがよい。
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