佛像圖彙299
【299】諸天・日輪(にちりん)
[通釈]
諸天 日輪 梵字はア
名義(翻訳名義集・既出)にある蘓梨那はここにいう日輪のこと。
造天地経にいう「佛が宝応菩薩をして日を造らせた」と。
白虎通(びゃっこつう)にいう「日の直径は千里、周囲は三千里、天から下る事は七千里」と。
[注]
造天地経 偽経の一つ。唐頃に道教の徒が作ったと思われる(倭名類聚抄等に引くが全文は未見)。
白虎通 正式には白虎通徳論、或いは白虎通義。後漢の章帝の時に詔勅をうけて多くの学者や大官が宮中の白虎観にて儒教の学説の異同を調整し,古義を解説した書。4巻。班固に命じて整理記述させた。
[解説]
この諸天はおもに法華で尊ばれている諸天善神(しょてんぜんじん)ではなく、星を各仏に習合させたものである。日輪は大日、つまり太陽である。仏とは、無碍光仏(阿弥陀如来)を指すようである。日輪は日天子、宝応声菩薩の化身とする。仏教、神道、それに道教までが習合されており、色々な解説を見ても混乱させられるのが偽らざるところ。ただ、太陽を崇拝するのはよく理解できるし、宗教の根本ともいえる。
※毎回、推敲してからアップしていますが、前回の分で「発祥」の地とすべきところを「発症」と誤記してしまうなど、情ないミスが毎回のようにあります。前後からご判断いただけるとは思いますが、一層注意する所存です。
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