佛像圖彙298


【298】十羅刹の十・奪一切衆生精気(だついっさいしゅじょうせいき) 


 [通釈] 

奪一切衆生精気 梵字はウン 

秘法には一切恭吉尼とある。 

法華(この法華は本文では無く注釈)には、宇賀神、また大自在菩薩である、と。 正法華経には取一切精と名づく。 


[注] 

宇賀神 日本独自の佛神。人頭蛇身にてとぐろを巻く異様な形で表現される。宇迦之御魂と辨財天が習合した物と考えられるが不明な点が多い。なお、苗字の宇賀神は下野(しもつけ。栃木県)が発症。 


[解説]

  奪一切衆生精気は、元は一切の衆生の精気を奪う鬼神。帰依したのちは一切衆生の煩悩を奪除する仏尊であるという。両手を合掌して手にを纏った姿で表される。この合掌は衆生愛取の意味を持つという。本地仏は宇賀神または自在菩薩とあるが、一般には多宝如来としている。宇賀神は我が国のものなので、本地とするには難ありということか。見出しの「精気」は「せいき」と普通の読みを当てているが、仏家では「しょうげ」と読んでいる。

  以上が十羅刹(十羅刹女)である。 

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。