佛像圖彙248


【248】吉野蔵王権現(よしのざおうごんげん) 


 [通釈] 

吉野蔵王権現 梵字はウン(但し形が聊か崩れている) 

大勢忿怒の姿を現して金峰山に湧現された。右の手には三鈷を握り臂を挙げ、左の手で腹に押し当て、眼は明らかに怒る姿をしている。 


 [解説] 日本独特の尊像。役行者(えんのぎょうじゃ)が大和の吉野山にて感得したと伝えられている。神道では安閑天皇と同一視されているので安閑天皇を祭神とする神社は神仏分離前は蔵王権現を祀っていた可能性が高い。なぜ安閑天皇と習合したかは未勘。 


 [雑記] 「百年後の仏教」 

【28】大谷大学教授 佐々木月樵 

「深く自分の信じて居る宗敎そのものが、百年後は勿論五十六億七千萬年後の佛敎と信じ候。」

  56億7千万年後は次の仏となる弥勒が降臨される時。その時まで仏教は不変不屈であると信じているという確固たる気持ちの表明。ましてや100年後も今と変わろうはずはない、ということ。学者というのは真理を考究するので、科学的客観的に説明のできる証拠のないものについては懐疑的になったり否定したりするものだし、学問とはそういうものですが、信仰とはそういう態度や精神とは別で、学者であると同時に僧籍を有する人というのは、信仰に関しては学者的態度とは切り離して「必ず弥勒が如来となって現れる、仏教は決して廃れない」という不動の気持ちを持つものです。  

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