佛像圖彙229

【229】苗鹿大明神(のうかだいみょうじん)

[通釈] 

苗鹿題明神 梵字はキリーク 二十九日 

江州に鎮座 本地は阿弥陀仏 


 [解説] 苗鹿大明神は、現在の名は「那波加(なはか)神社」。大津市苗鹿に所在。祭神は天太玉命(あめふとたまのみこと)。背後の山に磐座(いわくら)があることから元々は農事を守護する自然神と思われる。磐座(いわくら、磐倉/岩倉)とは、古神道における岩に対する信仰のこと。あるいは、信仰の対象となる岩そのもののこと。神社の縁起にも太玉命の農業を助けて鹿が稲の苗を背に乗せて運んだとある事からも窺える。神文は「鹿の背に稲」という珍しいものの由。又苗鹿、みょうがから抱き茗荷も。叡山で密かに祀られていた「摩陀羅神」の眷属が茗荷を持っているのと係わりがあるのではないか。 


 [雑記] 「百年後の仏教」 

【12】曹洞宗大學長 丘宗潭(おかそうたん 曹洞宗の僧侶。安泰寺初代住職) 

「佛敎百年の事は兎も角、現今の佛敎大々的覺醒を要す、相互に憤勵して所謂不惜身命但借無上道の境界に住する事第一の要件と存じ候、貴社の如き一意專心此事に從事有之度く御依願申上候。」

  百年後の事よりも、今の仏教界が大覚醒しなければならない、そのためにはこのアンケートをしている貴社のような人たちが尽力してほしい、という切実な思いを吐露しています。はるか先の予想を聞く暇があれば、他にもっとなすべきことがあるでしょうという嫌味の気持ちも少し込められているかもしれません。 

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。