佛像圖彙225
【225】三上大明神(みかみだいみょうじん)
[通釈]
三上大明神 梵字はキリーク 二十七日
江州に鎮座。 元正天皇の養老年間に天よりこの場所に降臨された。
日本第二の忌火(いみび)という。
本地は千手観音
[ 注 ]
忌火 神道で清浄な火のこと。 火鑽(ひき)りで熾し、神様への供物の煮炊きなどの神事に用いる。 宮中や伊勢神宮などの重要な祭にあたり新しく鑽り出される火のことをいうが、他の神社においても鑽火神事(きりびのしんじ)として行われる。
[解説]
三上大明神は、滋賀県野洲(やす)に鎮座。祭神は天之御影命(あめのみかげのみこと)。鍛冶(かじ)の神の天目一箇命(あめのまひとつのかみ)と同一とされ、天下第二の忌火(清浄な火)とされる。神体は本殿背後の三上山。三上山は姿が端正な所から近江富士といわれる。現在、本殿と神体山の間に国道が通っているのは遺憾。本殿は国宝。
余説。俵藤太(たわらのとうた)が蜈蚣(むかで)を退治した際、この蜈蚣は三上山を七廻り半したといわれるほど大きい。
[雑記] 「百年後の仏教」
【8】生方敏郎(うぶかたとしろう 1882-1969 明治-昭和時代の随筆家、評論家。「東京朝日新聞」などの記者をへて文筆家となり、平易で風刺に富む評論や短編で活躍。昭和10年個人雑誌「古人今人」を創刊、軍国主義の世相を批判した)
「百年後には佛敎は篤學者に依つて研究されませう。併し今日のやうな資本主義的宗敎は佛、耶、儒、神道、共に皆滅びてしまうでせう。むしろそれが當然です。」
「資本主義的宗敎」言葉を選んだ表現ですが、要するに、信仰も教団・寺院維持も万事カネ次第という現状に対して痛烈に批判しています。勿論、反論したくなる宗教者も多いでしょうが、例えば戒名(法名)にも位階等級があり、位によって戒名料も違ってくるだけでなく、自分で生前に決めておいたり、しかるべき人に選んでもらうことは別に違反でもなければ悪いことでもないものの、いざ葬儀の段になり、僧侶に導師をお願いする際、「戒名は故人が決めてありますから」というと露骨に不快な顔をする僧侶や、「戒名の意味も知らぬ人が勝手に決めても成仏できない」などといって僧侶のほうで決めてしまうといったトラブルも多くなっているとか。これも、お金が介在しなければほとんど問題は起きないのではないかと思います。
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