佛像圖彙202
【202】陀羅尼菩薩(だらにぼさつ)
[通釈]
陀羅尼菩薩 梵字はシ 十六日
講演法儀にいう「陀羅尼菩薩は即ち観音菩薩である」と。
[注]
講演法儀 書名。正しくは講演法華儀。圓珍の撰。
[解説]
陀羅尼菩薩も既出。陀羅尼はサンスクリット語の音写で、訳すと総持となるので、総持菩薩とも。陀羅尼の言葉の力で仏法を保持して悪法を防ぐとされる。講演法華儀では観音菩薩の化身とする。この書物は顕教(衆生を教化するために姿を示現した釈迦如来が、秘密にすることなく明らかに説き顕した教え)である法華経を密教としてとらえたもので、その関係からこのような化身という考え方が生じたのだろう。
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