佛像圖彙196

【196】虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)


[通釈]

虚空蔵菩薩 梵字はタラーク 十三日

維摩二■(行・斤?)にいう「実相の恵蔵は虚空の様である」と。

十王経にいう「卅三回忌の仏である」と。

経にいう「一切香集世界に在る」と。


[注]

維摩二■ 経典の注釈と思われるが未詳。維摩経巻二とも思われるが該当の文は見当たらない。今後の精査によりたい。

十王経 前出

一切香集世界 西方に在るとされる世界。虚空蔵菩薩経による。同経は姚秦の仏陀耶舎の訳。


[解説]

 虚空蔵菩薩は既出。虚空孕 (こくうよう) 菩薩とも。一切香集世界に住み、福徳と智慧をそなえ、これが無量無辺であたかも虚空のごとく広大無辺であることからこの名称がある。胎蔵界曼荼羅の虚空蔵院に置かれ、蓮華座に坐し、頭に五智宝冠を戴き、左手には上に如意宝珠を載せた福徳を示す蓮華を持ち、右手には智慧の宝剣を持つ。日本では虚空蔵菩薩を念じ求聞持法を行うと記憶力を増大させると考えられ、8世紀末頃から盛んに信仰され、造像が行われた。


[千手観音の持物]39

葡萄手


 葡萄は豊穣の象徴。また医薬の象徴でもあります。山梨県勝沼の大善寺の重文薬師如来座像は薬壺の代わりに葡萄の房を乗せている由。これも医薬の象徴でしょう。

 画像はやまなし観光推進機構のホームページより。

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