佛像圖彙190

【190】日月燈明仏(にちがちとうみょうぶつ)


[通釈]

日月燈明仏 梵字はア 十日

『法華科註』に「日は恵の事であり、月は定(じょう)の事である。定恵は自行の徳であり、燈明は化他(けた)の徳である」と。又、日月燈は三智であるとも。


[注]

法華科註 前出

三智 智慧を三分類したもの。『智度論』では、声聞(しょうもん)・縁覚(えんがく)の智である一切智、菩薩の智である道種智、仏の智である一切種智。『楞伽経』(りょうがきょう)では、凡夫外道の智である世間智、声聞・縁覚の智である出世間智、仏・菩薩の智である出世間上上智とする。


[解説]

 日月燈明仏は、過去世にあって、釈迦以前に法華経を説いた仏の名。如来。法華経によると、同名の仏二万が相継いでこの経を説いたという。〔法華経‐序品〕2万人目の日月灯明仏から妙光菩薩、定光仏へと教えが受け継がれた。最後の仏の子八人のうちの一人が燃灯仏(ねんとうぶつ)であるとする。


[千手観音の持物]36

化宮殿手(けくうでんしゅ)


宮殿(くうでん)は、仏教の礼拝対象である仏像、祖師像などを収める厨子の一種。経典には「化宮殿」とあり、仏が生まれるところの意。千手観音の持物はこちらとされています。願わくは俱にここに参りたいとの願いを表わします。

過去の出来事

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