佛像圖彙151

【151】大勝金剛(だいしょうこんごう)


[通釈]

大勝金剛 梵字はウン

(本文なし)


[解説]

 大勝金剛は、大日如来の変成した金剛界を統括する、金剛薩埵(こんごうさった)と同体とされる。彫像・画像ともに類例は少ない。十二臂大日とも呼ばれる。土佐の金剛福寺には珍しい別尊曼荼羅が所藏されている。

 下の画像は大阪市指定の有形文化財「木造大勝金剛坐像」。室町時代14世紀前葉~16世紀後葉。国指定重要文化財の多宝塔の本尊。玉眼を嵌入した彩色像で、頭部・体部ともに根幹部は前後に材を寄せている。面から頸部にかけて後捕の金泥が施されるが、彩色は当初のものとみられる。像高 75.0cm。指定年月日:2014年6月20日。有形文化財(美術工芸品)。

 左の上から二つ目の臂の手のひらには何もないが、本書の絵に照らして、元は何かあったはずである。ちなみに、真言を唱えながら結ぶ印は、法具を持つ形も含まれているという(真言宗のお坊さんが動画で解説されていた。印を結ぶ手は、衣の中に入れて人に見せないようにするが、結構それはやりづらい、とも。また、絶対に見せてはならないというものではなく、特に僧侶によっては手を出したまま行う方もいる、とも)。

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