佛像圖彙137

【137】陀羅尼地蔵(だらにじぞう)


[通釈]

陀羅尼地蔵 梵字はイー

辨尼(べんに)地蔵ともいう。


[注]

六地蔵は異説が多く、名称や持物の相違により十五六種類にも上るといわれている。

「辨」は現在、一般的には「弁」の字を代用しているが、両方の字は別であり、更に「辯」も別字なので、ここでは原文に従う。


[解説]

 お地蔵さまもここまでくると解説がさまざまで一定していない。陀羅尼地蔵(辨尼菩薩)は人間道担当とするものがあるかと思えば畜生道とするものがあり、持ち物も「金剛珠」「念珠」「錫杖」といろいろ。しかも、どの説明も「地域やその場によって違いがある」とするが、あまりにも違いが多すぎる。それだけお地蔵さまが親しまれ、見様見真似で造像、建立したり、古くてよくわからないものに「陀羅尼地蔵」などとあとからそのように定めたものもあるようで、改めて信仰の対象の篤さが感じられる。


[千手観音の持物]13

白払手


払子(ほっす)とも。元々は熱帯の天竺で体に集る蟲を払った物。その用途・動作から諸々の悪障を払う功德を持つといわれています。絵は旗のような感じですが、現在使われているのは房状のものがほとんど。

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