佛像圖彙122
【122】六時観音(ろくじかんのん)
[通釈]
六時観音
居士身 居士に化現して衆生を済度する。
[注]
六時 一日を六分割した「晨朝(じんじょう、しんちょう)・日中・日没(にちもつ)・初夜(そや)・中夜・後夜」のこと。なお、ネットでは晨朝を「農朝」としているものが散見される。これは、誤字であることを知らずそのまま転載することによるもので、いわゆるコピペは楽ではあるが、その場合も内容を確かめることが必要。誤りを無責任に借用、拡散するのは無責任の極み。
居士 出家せず在家のまま仏に帰依する者。今は戒名につけることが多いが、子規居士、漱石居士のように筆名に使う例もあり、かつては日常的によく使われていた。
余説 この像様は居士を象徴する経典を持つ。六時の義は昼夜を分かたず衆生を済度するの意。大阪四天王寺には六時堂がある。浄土門で行われる「六時禮讚」は唐の善導大師が始めたとされる。本朝では建久三年に圓光大師が始めた由。(冢堀庵識)
[解説]
六時観音は、一日を六つ(晨朝・日中・日没・初夜・中夜・後夜)に分け、インドでこの六時に勤行が行われたことに由来する。唐の善導は六時に阿弥陀仏を礼拝讃歎した。四天王寺の六時堂は六時に諸仏を礼讃するための道場。六時観音という名は、四六時中(つまり一日中)衆生を哀れみ慈しんで守護すること。
[千手観音の持物]5
跋折羅手
跋折羅(ばさら)は金剛の意味。この絵は金剛杵。一切の天魔神すなわち煩惱を打ち砕くもの。弘法大師像もこれを手にしています。金剛杵はいろいろ種類あり。
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