佛像圖彙100

【100】円光観音(えんこうかんおん)


[通釈]

円光観音

『正観記』に「自然(じねん)に道理を悟った故に光の中に現れる」と。


[注]

円光観音は『妙法蓮華経普門品』第二十五偈(げ)の「或遭王難苦(わくそうおうなんくー)・・・・刀尋段段壞(とうじんだんだんねー)」にあたるともいわれる。

正観記 書名。正しくは『観経疏正観記』。宋代の浄土僧戒度の撰。

「円」は「圓」の略字だが、人名の場合、「圓」を「円」とするのを嫌う人がいるなど、古来よりこだわりの強い字であるが、本訳注はあくまで一般向けとしており、通行の字体を使用することをお許し願いたい。書名も同じ。


[解説]

 円光観音は、円光とは、仏菩薩の頭頂や背後から放たれる円輪の光明(頭光、頂光、後光、常光などとも)。この光明の威徳を具現しているのが円光観音で、観音の清浄で智慧に満ちた大慈大悲の光を象徴しているという。『観音経』の偈文「無垢清浄光(むーくーしょうじょうこう)、慧日破諸闇(えーにちはーしょーあん)」とある。


[おまけ]

葛飾北斎の描くお坊さんいろいろ(北斎漫画より。一部僧形の人も)

過去の出来事

過去の本日の朝廷や江戸幕府の人事一覧、その他の出来事を紹介します。ほかに昔に関する雑記など。