佛像圖彙75
【75】山海恵菩薩(さんかいえぼさつ)
[通釈]
山海恵菩薩
『玄賛』八にいう「宝蔵を持つにことから、智は海の如く深くて測ることができない。名は山の如く高くて仰ぐ事は難しい。故に山海惠恵と名づけた」と。
文意は、智徳は高深なること山や海に似ているので、このように名づけられた。
[注]
玄賛 書名。中国,唐の慈恩大師窺基の著。『妙法蓮華経玄賛』の略称。 10巻。法相宗の唯識学の立場から『法華経』を解釈したもの。天台,華厳の説を批判している。衆生が先天的にそなえている5種の性質を立て (五性各別 ) ,成仏できない素質をもつ衆生の存在することを認めた。
叵 音はハ 不可の意味。
絵の持物は箜篌(くご)。既に滅んだ古代の弦楽器。 中国、日本、朝鮮半島などで親しまれたL字型のアングルハープで、国宝・正倉院に二張のみ保存されていたのを復元復活させた。
[解説]
山海恵菩薩は、深い海や高い山のような智慧と徳で衆生を導く菩薩。
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