佛像圖彙60

【60】金剛牙(こんごうげ)

[通釈]

金剛牙(菩薩) 梵字はウン

一切の如来、大精進門、金剛牙等の諸仏に帰依し奉る。

出生義にいう「一切の如来の無畏調伏門より金剛牙を生ぜさせたまう」と。


[注]

無畏調伏門 仏が説法する、何事にも畏れず相手を説き伏せるやり方。無畏とは、仏が法を説く時恐れる事の無い態度。四つありとされ「四畏」という。仏の場合は、自分は一切法を悟ったという自信である一切智無所畏、自分は一切の煩悩を断ち切ったという自信である漏尽無所畏、修行の障害となるものはすでに説いたという自信である説障道無所畏、苦を離れて悟りに達する道を説いたという自信である説尽苦道無所畏の四つをいう。〔増壱阿含経‐一九〕 菩薩の場合は、聞いた教えを忘れないで、他に説いて畏れない能持無所畏、衆生の機根を察し、それに応じた説法ができると畏れない知根無所畏、衆生の疑問を解決することに対して畏れない決疑無所畏、どんな質問にも回答して畏れない答報無所畏の四つをいう。〔大智度論‐五〕


[解説]

 金剛牙菩薩、調伏金剛菩薩とも。頭の上で手を合わせる、きわめて珍しい形をしている。金剛界四方のうち北方、不空成就如来に属す。 

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