佛像圖彙48

【48】金剛愛(こんごうあい)

[通釈]

金剛愛(菩薩) 梵字はコク

一切の如来菩提心金剛愛等○の諸仏に帰依し奉る。

「出生義」にいう「一切の如来、菩提、無染浄躰において金剛愛を生じ給う」と。


[注]

「出生義」 未詳。


[解説]

 金剛愛菩薩、大悲金剛菩薩とも。金剛界四方のうち東方、阿閃如来に属す。なお、愛染明王と同体とされ、二手に矢を矯めた姿で描かれているものもる。一切の衆生を愛し慈しみ、愛欲・貪欲の煩悩を射て、菩提心(悟りを求める心)への愛を起こさせるという。

 愛欲について。性的な愛は、古代インド人は人生の目的の1つに性愛を享楽すること(カーマ)を立てた。初期仏教はこれを煩悩として強く否定、修行者に超越、解脱を促す一方、大乗では完全には否定されず、統制されるべきものと考えられた。現在の日本仏教では特に浄土や日蓮系が愛欲を肯定している。

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