佛像圖彙22

【22】善名称吉祥王如来(ぜんみょうしょうきちじょうおうにょらい)

[訳]

七仏薬師

唐三蔵義浄訳『薬師瑠璃光如来七仏本願功徳経』に基く仏像或いは修法。

(架蔵の物は民国12年天津刻経処印版、2008年金陵刻経処刊行のもの。金陵刻経処は今なお木版にて経典を刊行している所)

善名称吉祥王如来 梵字はア

『七仏功徳経』に云う、「東の方に行くこと遙か四競伽河の仏土に一世界が有って、名前を「無能勝」という。そこにいます仏を善名称吉祥王如来と号す。八大願を発す」と。


[注]

競伽河(きょうかが)は数の単位「恒河沙(ごうがしゃ)」の別表記。十の九十六乗。


[解説]

 続いては七仏薬師。『薬師琉璃光七仏本願功徳経』上および『薬師琉璃光如来本願功徳経』に説かれる、

 善称名吉祥王如来

 宝月智厳光音自在王如来

 金色宝光妙行成就如来

 無憂最勝吉祥如来

 法海雷音如来

 法海勝慧遊戯神通如来

 薬師瑠璃光如来

の総称。薬師等の七仏のことで、七仏を薬師の異名とする説と、それぞれ別の仏とする説がある。ただし東密(真言宗に伝わる密教)では一体の分身とする。

 東方の四恒河沙仏土の光勝世界に住する善称名吉祥王如来より、東方の十恒河沙仏土の薬師瑠璃光如来に至る七仏の本願を説く。最初の二仏は八大願、次の四仏は四大願、後の一仏は十二大願を発して、おのおのの浄土を建立する。大願(だいがん)とは、仏・菩薩が衆生を救おうとする誓願のこと。

 善称名吉祥王如来は彫像の例はなく、仏画のみのようである。

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