佛像圖彙19

【19】多宝如来(たほうにょらい)

[訳]

多宝如来

法華経に云う。遠い過去、東方の無量千万億阿僧祇世界に宝浄と名づけられた国があった。彼の国の中に仏があり、それを多宝といった。


[注]

法華経は宝塔品。法華宗の本尊の多くは一塔両尊。中央に題目。左右に釈迦と多宝を配置する。


[解説]

 仏は釈迦以前にも存在し、それを過去仏という。多宝如来もその一人で、東方の宝浄国の教主。釈迦の説法を聞いて大いに賛嘆したとされる。この仏は多宝塔に安置したり、多宝塔の両隣に釈迦牟尼仏と合わせて本尊(一塔両尊)にしたりして祀る。

 中国、朝鮮半島、日本を通じて多宝如来単独の造像例はほとんどないという。画像は現在売られているもの。

石山寺多宝塔(国宝)鎌倉時代初頭、年代の明らかなものとしては日本最古の木造多宝塔

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