訓蒙図彙140
訓蒙図彙 140 宝貨の部
硝(しょう) nitre
[訓読]硝 せう(しょう) 硝石(しょうせき)なり。本消に作る。〇焔硝(えんしょう)、火硝(かしょう)、並びに同じ。𦬆硝(ぼうしょう)有り、牙硝(げしょう)有り。
[通釈]硝 しょう 硝石のこと。本(ほん)消に作る。〇焔硝、火硝、並びに同じ。𦬆硝、牙硝がある。
[語釈]
●硝 硝石は、硝酸塩鉱物の一種。化学組成はKNO₃、硝酸カリウム。もと「消石」と書いた。火薬・ガラス・肥料の原料。日本における古名は、消石、煙硝、焔硝、塩硝など。日本の歴史文献では「煙硝」や「焔硝」は硫黄や炭末を加えた黒色火薬を指すが、加賀藩では「塩硝」と呼ばれ五箇山産の硝石を意味するとされる。
●本作~ この読み方は、一般的には「もと~に作る」と読んでいる。ここではその意味で良いが、註釈によっては「ほん~に作る」と読むべきものもある。この場合は、別の書物、ある文献では、という意味で、「本」は「一本」のこと。別の一つの本ではAの字がBの字になっている、といったように字句の異同を示すもので、このような場合は「もと」と読んでは意味をなさない。
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