訓蒙図彙119

訓蒙図彙 119 果蓏の部

鴉瓜(あか) karasuuri; snake gourd

[訓読]鴉瓜 あくわ(あか) からすうり。王瓜(おうか)、これを老鴉瓜(ろうあか)と謂(い)ふ。又、土瓜(どか)、菟瓜(とか)、赤雹子(せきほうし)と名づく。


[通釈]鴉瓜 あか からすうり。王瓜は、老鴉瓜という。また、土瓜、菟瓜、赤雹子という名がある。


[語釈]●鴉瓜 カラスウリ(烏瓜、唐朱瓜、Trichosanthes cucumeroides)はウリ科の植物。朱色の果実と、夜間だけ開く花で知られる。地下には塊根を有する。原産地は中国・日本で、日本では本州・四国・九州に自生する。林や藪の草木にからみついて成長する。葉はハート型で表面は短い毛で覆われる。雌雄異株で、一つの株には雄花か雌花かのいずれかのみがつく。別名:玉章(たまずさ)・ツチウリ・キツネノマクラ・ヤマウリ。雌花の咲く雌株にのみ果実をつける。果実は直径5〜7cmの卵型形状で、形状は楕円形や丸いものなど様々。熟する前は縦の線が通った緑色をしており光沢がある。10月から11月末に熟し、オレンジ色ないし朱色になり、冬に枯れたつるにぶらさがった姿がポツンと目立つ。鮮やかな色の薄い果皮を破ると、内部には胎座由来の黄色の果肉にくるまれた、カマキリの頭部に似た特異な形状をした黒褐色の種子がある。この果肉はヒトの舌には舐めると一瞬甘みを感じるものの非常に苦く、人間の食用には適さない。鳥がこの果肉を摂食し、同時に種子を飲み込んで運ぶ場合もある。しかし名前と異なり、特にカラスの好物という観察例はほとんどない。

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