訓蒙図彙95

訓蒙図彙 95 果蓏の部

椒(しょう) Sichuan pepper

[訓読]椒 せう(しょう) なるはじかみ、かははじかみ(かわはじかみ)。俗に云ふ、山椒(さんしょう)、大椒(たいしょう)、花椒(かしょう)、秦椒(しんしょう)、並びに同じ。○蜀椒(しょくしょう)は、俗に云ふ、あさくら。山椒、川椒(せんしょう)、南椒(なんしょう)、並びに同じ。椒皮(しょうひ)を椒紅(しょうこう)といひ、内子(ないし)を椒目(しょうもく)といふ。


[通釈]椒 しょう なるはじかみ、かわはじかみ。俗にいう山椒、大椒、花椒、秦椒はいずれも同じ。○蜀椒は、俗にいうあさくら。山椒、川椒、南椒も並びに同じ。椒の皮を椒紅といひ、中の種子を椒目という。


[語釈]●椒 この項は今一般的に使われている「山椒」のことだが、「椒」一字の場合、今はサンショウ属、もしくはそのうち香辛料として使われるものを指し、広義には、コショウ(胡椒)、トウガラシ(蕃椒)なども含めて指す言葉である。山椒は(学名:Zanthoxylum piperitum)は、ミカン科サンショウ属の落葉低木。別名はハジカミ。山地の雑木林などに自生し、若葉は食材として木の芽の名称がある。雄株と雌株があり、春に葉の脇に黄緑色の花を咲かせ、雌株のみ実をつける。葉と球果に独特な爽やかな香りをもち、香辛料に使われる。

 

[用例]

○椒房

『文選』班固.西都賦:後宮則有掖庭椒房,后妃之室。

『晉書』卷五七.胡奮傳:奮既舊臣,兼有椒房之助,甚見寵待。

唐.杜甫「麗人行」:就中雲幕椒房親,賜名大國虢與秦。

唐.白居易「長恨歌」:梨園子弟白髮新,椒房阿監青娥老。

○椒蘭

『荀子』禮論:芻豢、稻粱五味調香,所以養口也;椒蘭芬苾,所以養鼻也。

『楚辭』屈原「離騷」:覽椒蘭其若茲兮,又況揭車與江離。

唐.杜牧「阿房宮賦」:煙斜霧橫,焚椒蘭也。

唐.元稹「授牛元翼深冀等州節度使制」:聞爾鼙鼓之音,懷爾椒 蘭之德。

唐.韓愈「陪杜侍御遊湘西兩寺獨宿有題一首因獻楊常侍」詩:椒蘭爭妒忌,絳灌共讒諂。

『舊唐書』卷一九三.列女傳.序:末代風靡,貞行寂寥,聊播椒蘭,以貽閨壺。

○椒聊

『詩經』唐風の篇名。共二章。「詩序」:椒聊,刺晉昭公也。或以為頌人之詩。首章二句為「椒聊之實,蕃衍盈升。

唐.溫庭筠「上首座相公啟」:庶令葛藟之陰,均其煦育。椒聊之實,遂彼扶疏。


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