訓蒙図彙88

橘(きつ) mandarin orange

[訓読]橘 きつ たちばな。蜜橘(みつきつ)なり。俗に云ふ、蜜柑(みかん)。○包橘(はうきつ(ほうきつ))は、今云ふ、かうじ(こうじ)。橘皮(きつひ)は、きがは(きがわ)。


[通釈]橘 きつ たちばな。蜜橘である。俗にいう蜜柑のこと。○包橘は、今いうこうじのこと。橘皮は、きがわ。


[語釈]●橘 生食されたミカンの古名。キシュウミカンやコウジに類する。京都御所の紫宸殿(ししんでん)の南階下の西側にある「右近(うこん)の橘(たちばな)」はこれという。新年の季語。ミカンは、ミカン科の常緑低木。日本で唯一の野生のミカンで近畿地方以西の山地に生え、観賞用に栽植される。高さ3~4メートル。枝は密生し小さなとげがある。


[用例]

『晏子春秋』內篇.雜下:橘生淮南則為橘,生于淮北則為枳。

宋.陳郁『藏一話腴』卷上:李守大異伯珍回醫生之書云、「遺白金三十兩奉納,以備橘黃之需。」始不曉所謂,及觀世說有「枇杷黃,醫者忙。橘子黃,醫者藏。」乃知時使然耳。

『儒林外史』第一四回:櫃上擺著許多碟子。橘餅、芝蔴糖、粽子、燒餅。

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