訓蒙図彙87
訓蒙図彙 87 果蓏の部
枳(し) Japanese bitter orange
[訓読]枳 し からたちばな、からたち、枳実(しじつ・きじつ)なり。其の皮を枳殻(しかく)と為す。俗音、きこく。
[通釈]枳 し からたちばな、からたち、枳実である。その皮を枳殻という。俗に「きこく」と発音している。
[語釈]●枳 カラタチ。ミカン科カラタチ属の落葉低木。学名はPoncirus trifoliata。学名の trifoliata は三枚の葉の意でこの複葉から。原産地は長江上流域。日本には8世紀頃には伝わっていたとされる。 ●枳実 ダイダイまたはナツミカンの未熟な果実を乾燥した生薬。カラタチとする異説あり。解熱、健胃などの作用がある。 川越城の武家屋敷外囲いは、枳穀でなければならぬ、と決められていた。
[用例]
『周禮』冬官考工記:橘踰淮而北為枳。
『晏子春秋』內篇.雜下:橘生淮南則為橘,生于淮北則為枳。
『枹朴子』外篇.吳失:睹枳首之爭莓,而亡同身之禍。
『文選』左思.詠史詩八首之八:出門無通路,枳棘塞中塗。
『三國演義』第二回:吾思枳棘叢中,非棲鸞鳳之所,不如殺督郵,棄官歸鄉,別圖遠大之計。
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