訓蒙図彙85
訓蒙図彙 85 果蓏の部
柚(ゆう) pomelo
[訓読]柚 いう(ゆう) 今按ずるに、橙子(たうし(とうし))、あへたちばな(あえたちばな)。俗に云ふ、柚(ゆ)。図する所は蓋(けだ)し是なり。柚子(いうし(ゆうし))は、俗に云ふかぼしの属なるか。
[通釈]柚 ゆう 今考えるに、橙子、あえたちばなのことであろう。俗にいう柚である。図に描かれたものがつまりこれである。柚子は、俗にいうかぼしの属であろうか。
[語釈]●柚 いまは「ゆず」といっているが、それは「柚子」の読みであり、「柚」一字では「ゆ」あるいは「ゆう」と読むのが正しい。ゆずはミカン科の常緑低木。また、その果実。枝にとげがあり、葉は長卵形で、柄に翼がある。初夏、白い5弁花が咲き、黄色い扁球形の実を結ぶ。果皮は香気があり、調味料として用いる。中国の原産。秋の季語。
[用例]
『呂氏春秋』孝行覽.本味:江浦之橘,雲夢之柚。
『文選』左思.吳都賦:柚梧有篁,篻簩 有叢。/李善注引劉逵曰:篻竹大如戟槿,實中勁強。
唐.柳宗元「讀韓愈所著毛穎傳後題」:而又設以奇異小蟲水草楂梨橘柚,苦鹹酸辛,雖蜇吻裂鼻,縮舌澀齒,而咸有篤好之者。
唐.柳宗元「南中榮橘柚」詩:密林耀朱綠,晚歲有餘芳。
0コメント