訓蒙図彙60
訓蒙図彙 60
秧雞(おうけい・ようけい)
[訓読]秧鶏 あうけい(おうけい)・やうけい(ようけい) 今按ずるに、くひな(くいな)。或は云ふ、鼃鳥(あてう(あちょう))。俗に水鶏(すいけい)と名づく。然れども水鶏は是れ鷛渠(ようきよ(ようきょ))の一名。今按ずるに、俗に云ふ、ばん。
[通釈]秧鶏 おうけい・ようけい 今考えるに、くいなであろう。或は鼃鳥ともいう。俗に水鶏とも名づけられている。しかし、鶏は鷛渠の別名である。今考えるに、俗にいう「ばん」であろう。
[語釈]●秧鶏 クイナ。water rail。ツル目クイナ科クイナ属に分類される鳥類。日本の古典文学にたびたび登場する「くひな」「水鶏」は、別属のヒクイナを指していることが多い。その鳴き声が戸をたたく音に似るところから、鳴くことを「たたく」といい、また、その連想から「く(来)」といいかけて用いるなど、古くから詩歌にとりあげられてきた。夏の季語。
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