訓蒙図彙34
烏(う)
[訓読]烏 う からす。茲烏(じう)なり。茲鴉(じあ)、孝烏(こうう)、並びに同じ。
[通釈]烏 う からす。茲烏のこと。茲鴉、孝烏、ともに同じ。
[語釈]●烏 スズメ目カラス科カラス属の鳥の総称。全長33~61センチ。全体に黒色か、黒に灰色や白色の部分をもつ。くちばしが大きく、雑食性。南アメリカとニュージーランドを除く世界中に約40種が分布。日本では、ハシブトガラスとハシボソガラスが全国に生息する(通常は区別することはない)。鳴き声が陰気に聞こえるので、不吉(ふきつ)な鳥とされる。熊野の神の使いともされた。なお、漢文では「烏」は疑問詞や反語としても使われており、「いずくんゾ~や」と読む。古代中国における読みが『焉』『悪』『安』などの疑問代名詞と音声的に類似していたために仮借されたと考えられている。 ●茲烏 未詳。
[用例]
三國魏.文欽「降吳表」:欽累世受魏恩,烏鳥之情,竊懷憤踴。
『金瓶梅』第一一回:如今把俺們也吃他活埋了,弄的漢子烏眼雞一般,見了俺們便不待見
『紅樓夢』第六八回:眾姬妾丫鬟媳婦已是烏壓壓跪了一地,陪笑求說。
『紅樓夢』第七五回:咱們倒是一家子親骨肉呢,一個個不像烏眼雞,恨不得你吃了我,我吃了你。
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