訓蒙図彙26

鳬(ぶ)

[訓読]鳬 ぶ かも。鳧(ぶ)、鸍(し)、野鴨(やあう(やおう))、野鶩(やぼく)、並びに同じ。○刀鴨(たうあう(とうおう))、或は云ふ、たがへ(たがえ)。


[通釈]鳬 ぶ かも。鳧、鸍、野鴨、野鶩、いずれも同じ。○刀鴨、或は「たがえ」という。


[語釈]●鳬 鳬は鳧の異体字で意味は同じ。「ぶ」と仮名が振ってあるが、一般には漢音の「ふ」と清音で読んでいる。「ぶ」は呉音。意味は、のがも。かも。水鳥の名。まがも。互いにくっついて群れをなし、雄は灰色で頭から首にかけて緑色。あひるの原種で、形は、あひるによく似ている。


[解説]決着がつくことを「けりがつく」というが、この過去の助動詞「けり」は「鳧」の字を当てて「鳧がつく」と表記する。謡曲など、「けり」で終わるものが多いことから、けりがつく、という言葉が生まれた。


[用例]

宋.蘇軾「鳬繹先生文集敘」:後生不復見其流風遺烈,是以日趨於智巧便佞,而莫之止。(本文には鳬の字無し)

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