訓蒙図彙25
鷗(おう)
[訓読]鷗(をう(おう)) かもめ。鷖(い)、同じ。江鷗(こうをう)有り。かはがもめ(かわがもめ)。海鷗(かいをう)有り。うみがもめ。
[通釈]鷗 かもめ。鷖も同じ。江鷗、かわがもめと、海鷗、うみがもめとがある。
[語釈]●鷗 チドリ目カモメ科の鳥のうちアジサシ類以外の総称。海岸・川・湖などにすみ、翼は長めで先がとがり、飛翔力がある。体色はほとんどが白や灰色。動物の死体などさまざまなものを餌とする。ウミネコ・ユリカモメ・セグロカモメなどを含む。ごめ。
[解説]森林太郎の「鷗外」という号は、現隅田川の白髭橋付近にあった「鴎の渡しの外」という意味で、林太郎が住んでいた千住を意味している。
[用例]
唐.李商隱「贈田叟」詩:鷗鳥忘機翻浹洽,交親得路昧平生。
宋.蘇軾「次韻表兄程正輔江行見桃花」詩:故復此微吟,聊和鷗鴉櫓。
宋.陸游「烏夜啼.世事從來慣見」詞:鏡湖西畔秋千頃,鷗鷺共忘機。
宋.方岳「道中連雨」詩:自知機事淺,或可供鷗波。
宋.陳造「次丁嘉會韻」二首之二:百年袞袞須今日,歲晚鷗盟要重尋。
清.張景祁「曲江秋.寒潮怒激」詞:算只有鷗邊,疏葒斷蓼,向人紅泣。
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