訓蒙図彙5
鶺鴒 (せきれい)
[訓読]鶺鴒 にわくなぶり。いしたたき。脊令(せきれい)、𪃹鴒(せきれい)、雝渠(ようきょ)、並びに同じ。
[通釈]鶺鴒 にわくなぶり。いしたたき。脊令、𪃹鴒、雝渠もすべて同じ。
[語釈]●にわくなぶり セキレイの古名。 ●いしたたき セキレイの別名。
[解説]鶺鴒はイシクナギ、イモセドリ。ニワクナギ(鶺鴒、熟字訓)、ニワクナブリ(鶺鴒)、ツツ(鶺鴒)、マナバシラ(鶺鴒)、イシタタキ(石叩き・石敲き)、ニワタタキ(庭叩き)、イワタタキ(岩叩き)、イシクナギ(石婚ぎ)、カワラスズメ(川原雀・河原雀)、オシエドリ(教鳥)、コイオシエドリ(恋教鳥)、トツギオシエドリ(嫁教鳥)、ツツナワセドリ(雁を意味することもある)など多くの異名を持つ。主に水辺に住み、長い尾を上下に振る習性がある(イワミセキレイは左右に振る)。イシタタキなどの和名、英名Wagtail(Wag:振る tail:尾)はその様子に由来する。人や車を先導するように飛ぶ様子がよく観察される。
[用例]
●鶺鴒
『幼學瓊林』卷二.兄弟類:患難相顧,似鶺鴒之在原;手足分離,如雁行之折翼。
『文選』袁宏.三國名臣序贊:豈無鶺鴒,固慎名器。
●脊令
『詩經』小雅.常棣:脊令在原,兄弟急難。每有良朋,況也永嘆。
●雝渠(雍渠)
『史記』卷四七.孔子世家:居衛月餘,靈公與夫人同車,宦者雍渠參乘,出,使孔子為次乘,招搖市過之。これはセキレイのことではない。雝渠は不詳。
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