訓蒙図彙1

鳳凰(ほうおう)

[訓読]鳳鳥(ほうちょう)なり。雄を鳳(ほう)といい、雌を鳳(凰)という。鳳皇、瑞鶠(ずいえん)、並びに同じ。


[通釈]鳳凰は鳳鳥のこと。オスを鳳といい、メスを凰という。「鳳皇」「瑞鶠」も同じ。


[語釈]●鳳鳥 鳳凰のことで中国の伝説の聖獣。混乱した世の中を治める聖天子の出現の前に現れるとされ、舜や周の文王の時代に出現したとされる。『論語』子罕(しかん)第九に「鳳鳥至らず、河(か)、図(と)を出ださず、われやんぬるかな」(「(世を治める聖天子の出現の前兆である)鳳凰は現れない。(人々に天の英知を与える)図書を背負った神亀(しんぎ)は黄河から出てこない。もうお終いだな」)とある。


[解説]『訓蒙図彙』(きんもうずい)は、中村惕斎(てきさい)によって寛文6年(1666年)に著された図入り百科事典(類書)。全20巻。二回体裁が改められているが、今回は初版を採用する。天文・地理・居処・人物・身体・衣服・宝貨・器用・畜獣・禽鳥・龍魚・蟲介・米穀・菜蔬・果蓏・樹竹・花草の順に配列されているが、まず禽鳥を取り上げることにする。

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