和俗童子訓121
貝原益軒著『和俗童子訓』121
十に曰、わかき時は、夫の兄弟、親戚、朋友、或下部などのわかき男来らんに、なづさ(なれ)ひちかづきて、まつはれ、打とけ、物がたりすべからず。つつしみて、男女のへだてをかたくすべし。いかなるとみの用ありとも、わかき男に、ふみ(文)などかよはする事は、必あるべからず。しもべを閨門の内に入(いる)べからず。凡男女のへだて、かるがるしからず。身をかたくつつしむべし。
【通釈】
十、若い時は、夫の兄弟、親戚、朋友、或いは家僕などの若い男が来た時に、なれなれしく近づき、まつわり、打ち解けて話をしたりしてはならない。かかる時も慎んで、固く男女の隔てを守るように。どのような急用があろうとも、若い男に手紙などを寄せる事は、決してしないこと。家僕を自分の部屋の内に入れてはならない。およそ男女の隔ては軽んじてはならぬものであり、くれぐれもわが身を固く慎むべし。
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