和俗童子訓119

貝原益軒著『和俗童子訓』119

七に曰、女は、つねに心づかひして、その身をかたくつつしみまもるべし。つとにをき、夜わにいね、ひるはいねずして、家事に心を用ひ、おこたりなくつとめて、家をおさめ、をりぬひ、うみつむぎ、をこたるべからず。又、酒・茶など多くこのみて、くせ(癖)とすべからず。淫声をきく事をこのみて、淫楽をならふべからず。是女子の心を、とらかすものなり。たはぶれあそびをこのむべからず。宮寺など、すべて人の多くあそぶ所に、四十歳より内は、みだりにゆくべからず。


【通釈】

七、女は常に気遣いをして、何事も身をかたく慎み守ること。早く起き、夜遅く寝て、昼寝をせず、家事に心を用い、怠りなく務めて家を治め、織り縫い、糸紡ぎも怠ってはならない。

また、酒や茶など多く好んで癖になることがあってはならない。淫声を聞く事を好んで、淫楽が習慣とならぬようにすること。これらは女子の心をとろけさせるものである。戯れ遊びを好んではならない。宮寺など、多くの人が集まり遊ぶ所には、四十歳にならない内は、みだりに行ってはならない。

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