和俗童子訓111
貝原益軒著『和俗童子訓』111
女子には、はやく女功をおしゆべし。女功とは、をりぬひ、うみつむぎ、すすぎいうあらひ、又は食をととのふるわざを云。女人は外事なし。かやうの女功をつとむるを以、しわざとす。ことにぬひものするわざを、よくならはしむべし。はやく女のわざをおしえざれば、おつとの家に行て、わざをつとむる事たらず、人にそしられ、わらはるるもの也。父母となれる者、心を用ゆべし。
【通釈】
女子には、早く女功を教えること。女功とは、織り縫い、糸の縒り紡ぎ、濯ぎ洗い、食を調える技術をいう。女は外の仕事がない。このような女功を務めることが仕事である。ことに縫い物をする技術をよく習わせるように。早くに女の技術を教えないと、夫の家に行てから何もできず、人にそしられ、笑われることになる。父母たる者は、よく心を入れるべし。
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