和俗童子訓73

貝原益軒著『和俗童子訓』73

小児の書をよむに、文字を多くおほえざれば、書をよむにちからなくして、学問すすまず。又、文字をしらざれば、すべて世間の事に通せず。芸などならふにも、文字をしらざれば、其理にくらくして、びが事おほし。文字をしれらば、又、其文義を心にかけて通じしるべし。

和俗童子訓 巻之三 終


【通釈】

小児の書物の読み方は、文字を多く覚えないと、書物の読解力がなくて学問はなかなか進まない。また、文字を知らなければ、何事も世間の事に詳しくならない。芸などを習うにも、文字を知らなければその道理に暗く、間違いが多い。

文字を知れば、さらにその文義を心にかけて何事にも理解できるようになるものと知るべし。

和俗童子訓 巻之三 終

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