和俗童子訓68

貝原益軒著『和俗童子訓』68

書をよみ、学問する法、年わかく記憶つよき時、四書五経をつねに熟読し、遍数をいか程も多くかさねて、記誦すべし。小児の時にかぎらず、老年にいたりても、つねに循環してよむべし。是義理の学問の根本となるのみならず、又、文章を学ぶ法則となる。次に左伝を数十遍看読すべし。其益多し。是学問の要訣なり。しらずんばあるべからず。


【通釈】

書物を読み、学問する法は、年若く記憶力がよい時に、四書五経をつねに熟読し、何遍も読み数を多くかさねて、記憶暗誦すること。小児の時にかぎらず、老年に至っても、つねに反覆して読むように。これは義理の学問の根本となるのみならず、さらに文章を学ぶ手本となる。次に春秋左氏伝を数十遍読む。その益はとても多い。これが学問の要訣であり、知らなくてはならない。

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