和俗童子訓44

貝原益軒著『和俗童子訓』44

小児の衣服は、はなやかなるも、くるしからずといへども、大もやう、大じま、紅・紫などの、ざればみたるは、きるべからず。小児も、ちとくすみ過たるは、あでやかにして、いやしからず、はなやか過て、目にたつは、いやしくして、下部の服のごとし。大かた、衣服のもやうにても、人の心は、おしはからるみものたれば、心を用ゆべし。又、身のかざりに、ひまを用ひすくすべからず。ひまついえて益なし。只、身と衣服にけがれなくすべし。


【通釈】

小児の衣服は、華やかなのも悪くはないが、大模様、大縞、紅・紫などの気取ったものは、着させてはならない。

小児も、少しくすみ過ぎたものは上品で、卑しくはない。派手で目立つのは、卑しくて身分の低い人の服のような感じになる。

そもそも、衣服の模様でも人の心は推し量ることができるので、気を付けなければいけない。また、身の飾りに時間をかけ過ぎてはならない。時間がかかってなんの益もない。ただ、身と衣服に汚れがないようにすることが大切である。

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