和俗童子訓41
貝原益軒著『和俗童子訓』41
人のほめ・そしりには、道理にちがへる事多し。ことごとく信ずべからず。おろかなる人は、きくにまかせて信ず。人のいう事、わが思ふ事、必理にたがふ事おほし。ことに少年の人は、智慧くらし。人のいへる事を、ことごとく信じ、わが見る事をことごとく正しとして、みだりに人をほめ・そしるべからず。
【通釈】
人がほめたりそしるのは、道理に違うことが多しものであり、そのまま信じてはならない。愚かな人は、聞いたままを信じて鵜呑みにする。人の言う事、自分の感じる事は、必ず道理に外れる事が多い。特に年少の人は知恵が暗く、人の言う事をそのまま信じ、自分で見た事をすべて正しいとしてしまうから、みだりに人をほめたりそしってはならない。
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