和俗童子訓32
貝原益軒著『和俗童子訓』32
年わかき人、書をよまんとすれば、無学なる人、これを云さまたげて、書をよめば心ぬるく、病者になりて、気よはく、いのちみじかくなる、と云ておどせば、父母おろかなれば、まことぞ、と心得て、書をよましめず。其子は一生おろかにておはる。不幸と云べし。
【通釈】
年が若い人が書物を読もうとすると、無学な人がそれを妨げて、書物を読むと心がふやけて病人になり、気が弱くなって命が短くなると言って脅かすため、父母が愚かだとそれを信じてしまい、書物を読ませないようにする。そのためにその子は一生愚かで終わってしまう。不幸というほかない。
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